開催日時:2010/06/30 1346~1545 場所:Moulin de la Galette
参加者:Y,M,F
文責:F
指定図書の著者は,前回と打って変わって非常に読みやすい人間喜劇作家・バルザックです。分冊を嫌い,新潮版=平岡篤頼訳をチョイス。おそらくこれで良かったでしょう。はっきりと見える主題が多いため,敢えてそこを避ける進行となりました。
兎に角,今回の内容を。
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分かっているとは言え,一先ず大論点を整理する事から始めましょう。
・如何に速く出世するか
・社交界のいびつさ
・愚直な父性愛
まあこんなところでしょうか。
面白いのは,大半がラスティニャックの話で占められているこの小説のタイトルが『ゴリオ爺さん』である事。解説によると,簡単な着想ノートにはゴリオ爺さんの事しか書かれていない。の割に,爺さん出番少なくないか?
なんでだろうね。わかんないね。結局この話題に戻らなかったのを今思い出した残念……
(更にノート見返したら俎上に乗りきらなかった話題が結構多い事に気付いた。2hじゃ足りない?)
今回の読書会で一番盛り上がったのは,『ヴォートランは何故ラスティニャックを気に入ったのか』という点。
その気に入り方がまるで肉親に対してかの様だったので,みんな不気味だとか不思議だとか思ったようで,一様に腑に落ちない感じでした。
予想しよう。親身になるというのは,同じ匂いを感じるから。ではないか。という事で,
ヴォートランは,
1.自分が無くした要素をラスティニャックの中に見た
2.自分と同じ要素をラスティニャックの中に見た
と,まずこの二つが出てきた。
前者における要素は『軸のなさ』と,それでも根強い『社会システムへの信奉』。
後者としては『成功への強い野心』,それに『才能』?
どちらをも包含できるものが解答になり得るので,結論としては,
3.自分と重ね合わせた
としてみました。
ラスティニャックに軸は無いが芯は有るのです。
兎に角,凄いものがある。それは読んでいてみんな思っていた。カリスマっていうのかね。
纏まるには纏まるけど,なんだか時間掛かってしまった。
うーん。
次は担当を変えてみようか。
次回7/10は予告通り,現代日本文学を牽引する村上春樹の『ノルウェイの森』です。上下巻。映画は今年の12月公開予定だそうです。その辺も意識しながら,エンタメ解剖的にも読めると楽しいですね。
更に次は7/14,確かファインマンの『ご冗談でしょう,ファインマンさん』だったかな。
こんな感じです。自伝良いよね。
それではまた次回をお楽しみに。
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