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万朶会 繋げる読書会

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第一回 川端康成 『古都』

開催日時:2010/06/02 0915~1020 場所:教育学部2階
参加者:Y,M,F
文責:F


記念すべき第一回。
開催日が前日に決定するというドタバタがあったものの,最少催行人数プラスワンでしめやかに執り行われました。要は3人での船出となります。

久しぶりで進行は手探りにならざるを得なかったけれど,一時間ではおそらく足りないであろう事が確認できる程度の盛り上がりでした。所謂,及第点。

以下,簡単に整理。初回なので箇条書きです。
――――――――――――――――――

<着眼点>

Y
・太吉郎が舞妓に舌を吸われる場面……「堕落したな」
・竜助出てくんの急じゃね?
M
・苗子の言う「幻」について
・スミレ二株の比喩
F
・本筋に掠りもしねぇじゃん的台詞 「忘れんとおこ」「人間て……」 おそらく無意識に出た主張と判断


<語り合う>
全部なんだかFによるリードだったのでバランス改善……まあ良いか 

「もみじとスミレは何かを象徴しているのか?」
・Y「男に付随する女のイメージ」
・F「竜助と真一,お稚児さんの真一はスミレとして,より男性的な竜助はもみじとして」

「千重子は誰が好きなのか?」
・F,Yは真一 F「『もう,あないちっちょうなれしまへんな』っていうのがまさに!」
・Mは秀男 苗子の結婚に関する葛藤にはより説得的で,他の二人からすると新鮮な意見でした

「千重子と苗子,どちらにより幸せになって欲しいか」
・Y「苗子は幸せになる権利を自ら放棄しそうなので,必然的に千重子のが幸せになる」
・F,Mは苗子。判官贔屓に似た心境。
F「作品内の人間関係だと,千重子の積極的関与が無ければ苗子幸せになれないよ」

「もみじと杉を女性になぞらえる時,どちらが好き?」
ひでぇ質問だ。(笑)
・M「どっちも好き!」 これもひでぇ(笑)
・Y「23,4で会社の同僚として一年くらい遊ぶのがもみじだろう。
で,30代に入ったくらいの時に『嗚呼あんなこともあったなあ』ってなるんだろう。」 なかなか逞しい。


みんな解説にあった「作品の特色」に首を傾げていたが,これが最初の川端作品だとそう思うのも已むを得ない。というのも,この作品が他の著作に比較して頗る真っ当な題材を採っているのだから。少なくとも僕が読んできた中ではそういう感想になります。真っ当なのも異常なのも,川端文学は僕大好きですが。

ということで,cf.として
『雪国』 『眠れる美女』 が挙げられました。前者は真っ当,後者は異常。

更に,今後取り上げる予定の大江健三郎に関する予備知識のため,
『芽むしり仔撃ち』 『死者の奢り』 『個人的な体験』 がオススメとして出されました。


各々が読書会をどう考えていくのか,楽しみな所です。

次回は06/21の夕方から,指定図書はポオの『ユリイカ』です。
また参考までに,第三回の指定図書はバルザックの『ゴリオ爺さん』となります。日時は未定ですが今月中でしょう。


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